見よ、これが日本の育種力 ~千葉県 JA安房~

ヌボー生花店 山崎年起

2013年02月18日 15:19

今週のFlowerStoryは千葉県JA安房さんのストックです。
紹介しているストックは、2/19~2/25まで全店にて販売しております。




[ストックの歴史紹介]
千葉の房総半島西側の突端に近い館山市西岬地区。
この地域で大正時代末期に初めてストックの生産がスタートしました。
この地域で生まれ日本にストックを普及させた第一人者、それが黒川浩さん。
黒川さんは長年にわたりストックの育種を手がけ「黒川ストック」と呼ばれる品種体型を確立。
平成5年には世界初の「スプレーストック(*)」を発表。
今では黒川さんが手がけた品種が日本のストックの約8割を占めています。
黒川さんのストックは国内だけでなく、ヨーロッパやアメリカ、中南米に輸出され、高い評価を得ています。
*スプレー(SP)とは、1本の茎に小枝・小花が密集した形状のこと。
逆に1本の茎に1輪の花が付いた形状をスタンダード(STD)と呼ぶ。

[ストックの生産苦労話]
日本で販売されているストックは基本的に八重咲き(花弁が幾重にも重なった咲き方)。
これは実は自然現象的に生まれているもの。
ストックの種をまいて花が開花した時、八重咲きである確率は約55%。
残りの45%は一重咲きで花持ちが非常に悪く商品価値がありません。
生産効率を上げるためにまだ花が咲いていない出来るだけ早い段階で、それぞれの種が
八重咲きか一重咲きか判断し、一重咲きの株はすべて捨ててしまいます。
この作業を「八重鑑別」と呼び、この作業の正確さは経験によって裏付けされています。



↑ハウス栽培の様子。現段階で開花調整技術が確立しておらず、
JA安房は電照栽培による開花調整に積極的に取り組んでいます。


↑西岬といえばヒマワリの名産地。花栽培が盛んな地域です。


↑育種家の黒川浩さん。*農林水産省のHPに特集あり。


*ヌボー生花店の育種家への想い
日本の花の育種力は世界一。それを裏付けるように2012年に開催された世界新品種コンクルー
ルでも沢山の日本人が金賞を受賞しました。そんな素晴らしい日本の育種家を紹介していきます。

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