2014年07月08日

未来の夏花の主役を担う花~福岡県 JA糸島クルクマ共選部会~

今週のFlowerStoryは、福岡県JA糸島クルクマ共選部会さんのクルクマです。
*クルクマの花言葉:あなたの姿に酔いしれる





[JA糸島クルクマ共選部会の紹介]
福岡県の最西端に位置する糸島市は、対馬暖流の影響で温暖な気候条件であり、北は玄界灘、南に
脊振山と自然豊かな土地です。近年夏場の新定番商品として注目を集めるクルクマですが、日本で
は平成5年に栽培がスタートしたばかりの歴史の新しいお花です。全国に先駆けてクルクマの生産
拡大、品種の多様化を推し進めた生産者、それがJA糸島のクルクマ共選部会。近年のクルクマブ
ームの立役者といっても過言ではありません。


↑クルクマの栽培風景(左) 生産者オススメ品種:プーディンプリンセス(右)


[クルクマってどんなお花?]
クルクマはタイが原産のショウガ科の球根植物。タイでは鑑賞用としてよりも、根をカレー粉と
して使ったり、薬用として用いたりしています。熱帯地域の原産だけあって、暑ければ暑いほど
生育し、夏場でも非常に日持ちのよい植物です。カップを重ねたような独特な花形が特徴ですが、
これは苞の部分にあたります。本当の花はカップの隙間に咲く小さなリボン状の部分です。


↑非常に特徴的なクルクマの根っこ(左) タイカレーはクルクマ味?(右)


[クルクマを長く楽しむためのポイント]
クルクマは当初、蓮の花に似ていることから盆花として注目を集めました。そこでJA糸島さんは
「品種を増やし、まず盆の花のイメージから脱却を目指しました。現在は苞の固い、より日持ちの
する中小輪系の品種を積極的に導入しています。」
生産者さんオススメのクルクマお手入れ方法は?
「午前中に最低一度霧吹きで苞を保湿して下さい。苞の隙間にお水が溜まるように保湿すると、より
長持ちしますよ!ただし水換えはお忘れなく♪」


↑クルクマだけで飾るもよし(左) JA糸島のイメージキャラクター(右)
  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 09:00Comments(0)FlowerStory

2014年07月01日

ラン王国タイに咲く、トロピカルな花~タイ 須藤商会~

今週のFlowerStoryは、タイのモカラです。
*モカラの花言葉:優美・気品





[ラン王国タイ]
日本から約4500km。観光が非常に盛んな国、タイ王国。空港の至る所で外国人をもてなしてい
るのが、タイで栽培されたランの花。タイはランの生産量・輸出量が世界一。タイは仏教徒が多い
国であり、古くから寺院の仏像の前にはたくさんのランの花が飾られてきました。更に商店・民家
・街角など至る所にランの花が飾られ、タイ独特の風景として、観光客を楽しませています。


↑空港のラン装花(左) タイの市場で販売されているデンファレの山(右)


[日本のラン文化を支えるタイ王国]
タイ国内で栽培されるランのうち、高品質のものが輸出品となり、日本においても古くからタイの
ランが楽しまれてきました。平成20年の統計では、日本に輸入されるランの花のうち、タイの花
が占める割合が約5割。金額にして年間30億円ものランが輸入されています。特に、デンファレ
とモカラは、タイからの輸入が大半を占め、日本国内で販売されているデンファレやモカラの大部
分は、タイからの輸入品です。日本のラン文化を影で支える存在、それがタイ王国なのです。


↑梱包作業の様子(左) ランの花は、タイの人達の生活を支えています(右)


[モカラの特徴]
世界中に約15000種類もあるといわれるランの花。現在も日々品種改良が進められています。
モカラは3種類のラン科「バンダ属」「アラクニス属」「アスコセントラム属」を交配して人工的
に作られた花。肉厚な花弁が特徴で、水から離してもある程度水持ちするため、リゾート地を訪れ
た時に貰うフラワーレイや、飲食店のフードやドリンクのデコレーションに使われることの多い花
です。黄・橙・赤・ピンクと、ランの花の中では花色が豊富であることも特徴です。


↑栽培中のモカラの花(左) デンファレの栽培ハウスの様子(右)  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 09:00Comments(0)FlowerStory

2014年06月24日

トルコギキョウの歴史はここから始まった~長野県 JAちくま~

今週のFlowerStoryは、長野県JAちくまさんのトルコギキョウです。
*トルコギキョウの花言葉:優美





[千曲市力石は日本一のトルコギキョウの町]
戸倉上山田温泉にほど近い旧上山田町力石。この地は昭和25年頃に日本で初めてトルコギキョウ
が栽培された場所。当初は単色のみだったトルコギキョウも、力石の育種家による品種改良の結果、
覆輪系品種が登場し、その後のトルコギキョウブームの火付け役となりました。現在でも力石地区
には全国的に有名なトルコギキョウの生産者が数多く点在し、日本一のトルコギキョウの生産地と
して評価されています。


↑JAちくまの春原さん(黒服)と、生産者小林(青服)さん。


[世界を席巻する日本のトルコギキョウ]
世界に何百種とあるトルコギキョウ。その品種改良は世界的に見ても日本の独占市場。2012年
に開催された世界新品種品評会フロリアードでは、日本の育種家のトルコギキョウが数多くの賞を獲
得しました。その中でも力石在住でトルコギキョウの日本一の育種家として名高い中曽根健さんが、
平成15年に完成させた「コサージュ」シリーズは、細かいフリルが見事な八重咲きの大輪品種で、
世界から非常に高い評価を得ている切り花です。まさに長野から生まれた世界ブランドと言えます。


↑中曽根さんの別BRAND「NF(ナカソネ・フリンジ)」シリーズ


[トルコギキョウの栽培苦労話]
トルコギキョウの栽培は、ハウス等施設栽培が主です(力石地区を車で走ると沢山のトルコギキョ
ウのハウスに出会えます)。春夏出荷のトルコギキョウは、冬に植えて約6ヶ月の栽培期間を経て
出荷されます。時間をかけて育てますが、肥料や日照・気候条件等によって、同じハウス内、同じ
品種同士でも、色や咲き方にバラツキが出てしまうのが難しい所。またトルコギキョウは次々に脇
芽が出来てしまうため、1本1本丁寧に芽かきを繰り返し行います。品質格差が出やすい花だから
こそ、力石の品質が際立つのでしょう。


↑脇芽を取り除く様子。これにより輪が大きく綺麗に育ちます(左)
 スリプス(害虫)により、花に白い斑点ができてしまうことも多い(右)
  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 09:00Comments(0)FlowerStory

2014年06月17日

特許をも獲得した小さなヒマワリ~北海道 JA新すながわ~

今週のFlowerStoryは、北海道JA新すながわさんのヒマワリです。
*ヒマワリの花言葉:憧れ





[長岡良治氏とJA新すながわさん]
北海道のほぼ中心に位置する砂川市。北海道内外で名の知れた菓子店が立ち並ぶ「すながわスイー
トロード」で有名な地域です。この砂川市で独特なヒマワリ栽培方法を編み出し、高品質なヒマワ
リを提供しているのが長岡良治さん。この長岡さんのヒマワリ栽培方法は平成8年には特許として
認められるほどの技術です。この「長岡式特許栽培」を全面的に採用している生産者集団は、北海
道内のごく一部の生産者のみ。JA新すながわさんは、その数少ない生産者集団の1つです。


↑4名の生産者で構成するJA新すながわヒマワリグループ。


[長岡式特許栽培の特徴]
ヒマワリは土壌の肥料を良く吸う植物です。だからこそ野に咲くヒマワリは土壌の栄養を吸収し、
茎が太く・大輪の花を咲かせます。しかしながら肥料分を多く含んだ切り花は、日持ちが悪くなる
傾向があります。長岡式特許栽培は、この真逆の考え方。肥料や水を極限まで切らし、ヒマワリを
細く小さく栽培することで、日持ちの良い、高品質なヒマワリを栽培することができる栽培方法です。


↑圃場の様子(左) 出荷直前の蕾のひまわり(右)


[JA新すながわさんからのメッセージ]
「まさに゛言うは易く行うは難し゛。この栽培方法を始めた当初は、いくら肥料を制限しても土壌
に残った残留肥料で、ヒマワリがなかなか小さくならなかった。4年目ぐらいからかな、やっと形
になったのは。この栽培方法で一番苦労するのは生育期の水管理。毎日1つ1つ花の様子を見て、
手で丁寧に水をまきます。ヒマワリの良し悪しは、茎の太さを見ること。小指ぐらいの太さならOK。
あと葉が小さくて、茎の色が黄身がかっているくらいが丁度いい。濃いのは肥料が多い証拠です。
ぜひうちのヒマワリ試して飾ってみて下さい!」


↑小指サイズのヒマワリが理想(左) 代表品種:サンリッチマンゴー(右)
  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 09:00Comments(0)FlowerStory