2014年05月27日

小さなグラジオラスに込められた想い~茨城県 萩島園芸~

今週のFlowerStoryは、茨城県萩島園芸さんのミニグラジオラスです。
*グラジオラスの花言葉:情熱的な恋





[JA土浦 萩島園芸さんの紹介]
レンコンの生産で有名な霞ヶ浦湖畔で、全国一のグラジオラスの生産量を誇るのがJA土浦花き部
会に所属する萩島園芸さん。萩島園芸さんは年間約200万本以上ものグラジオラスを生産されて
おり、5月から11月まで全国各地へグラジオラスを安定供給できる、日本で唯一無二の生産者で
す。更に5年前から全国的にも非常に貴重なミニグラジオラスの生産に情熱を注いでいます。


↑一面に広がるグラジオラス畑。これだけ量があると爽快です!


[ミニグラジオラスへの想い]
グラジオラスは主にご葬儀やご法事・お仏壇など、仏花として利用されることが多いお花。萩島さん
は別の形でグラジオラスの魅力を伝えていきたいと考えています。「通常のグラジオラスは背丈が
1m以上あり、ご家庭の花瓶では、飾りにくいですよね。それに比べてミニグラジオラスは、背丈
が80cm程度で、かつ茎が細め。和花だけでなく、他の洋花と組合せるにも便利なお花だと思い
ますよ。更に、通常のグラジオラスにはない色目もあるので、ぜひ楽しんで頂きたいですね。」


↑代表品種:ケリー(左)、アンバー(中)、トーマス(右)


[グラジオラス生産における苦労話]
2年連続で同じ畑で生産することが出来ないグラジオラス。萩島さんは1年グラジオラスを生産す
ると、同じ場所で2年は田んぼとしてお米を作ります。そのため、何百万本のグラジオラスを毎年
作り続けるためには、広大な土地を管理し続ける必要があります。「就農して10年以上になりま
すが、まだまだわからないことだらけ。露地栽培だから天候にも非常に左右される。だけどそれが
面白いですよ!」と萩島さん。毎日休まずグラジオラスと対話し続けています。


↑出荷間際、穂が割れ花が見えてきました(左) 生産者の萩島さん(右)

  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 05:00Comments(0)FlowerStory

2014年05月20日

存在感バッチリ名脇役マトリカリア~長崎県 ワイルドプランツ吉村~

今週のFlowerStoryは、長崎県ワイルドプランツ吉村さんのマトリカリアです。
*マトリカリアの花言葉:集う喜び





[ワイルドプランツ吉村さんの紹介]
国内最大級のテーマパーク:ハウステンボスに代表される、九州屈指の観光都市、長崎県佐世保市。
この地で季節の草花を栽培されているのが、ワイルドプランツ吉村さん。東京ドームに匹敵するほ
どの広大な敷地で、年間約140種類もの草花を栽培する、日本を代表する花卉生産者です。そん
な吉村さんの代名詞的な花、それがマトリカリア。「マトリカリアは主役になれない花。だけど主役
を引き立たせつつ、沿え花だけど存在感のある花でありたい。そんな花作りを目指しています。」


↑吉村圭さん。若手生産者を代表する存在(左) マトリカリアの栽培風景(右)


[日持ちへ徹底的なこだわり]
「基本的に、栽培する品種はより日持ちのする物を選んでいます。お客様の元に届いて、日持ちし
なければ意味がないですからね。」「生産者という職業は、えてして見た目が豪華で、大きな物を
作りたがります。そのためには化学肥料を使って、花に肥料を沢山与えて、栽培してる場合が多い。
でも、草花でそれをやったら日持ちが悪くなる。草花は茎を細く・締めて栽培すると、日持ちも水
あげも格段に良くなります。その証拠にうちのマトリカリアは茎は細くても芯がしっかりしていて
います。イメージは丈夫な細マッチョです(笑)」


↑一重咲き品種:シングルペグモ(左) 八重品種:ホワイトワンダー(右)


[日本一の染め技術]
吉村さんと言えば、高い栽培技術のみならず、特殊な花の染め技術を持っていることでも有名です。
「染め技術は日本一、だと自負してます。とにかくナチュラルに染めること。染めていることが、
わからないように染めること。それがポリシーですね。」例えばマトリカリアの”たまごピンク”。
これも実は染めている花。我々花屋が見ても全くそうは思えないほどの出来栄えです。「うちの技
術であれば、染めても日持ちに何ら悪影響はありません。ぜひ新しい花と思って楽しんで下さい。」


↑染め品種:たまごピンク(左) 染め品種の見分けは不可能です…(右)

  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 09:00Comments(0)FlowerStory

2014年05月13日

“ブランド”ガーベラが誕生する日~静岡県JA大井川ガーベラ部会~

今週のFlowerStoryは、静岡県JA大井川さんのガーベラです。
*ガーベラの花言葉:希望・常に前進





[JA大井川ガーベラ部会の紹介]
静岡県はガーベラ生産量が日本一。そんなガーベラ大国の中でも、鮮度にこだわったガーベラを生産し
ているのが、JA大井川ガーベラ部会。日本で唯一、全量のガーベラをELFと呼ばれる水入りバケツで
流通させることで、ガーベラ特有の首曲がりや弁のソリを軽減させています。

[ガーベラの歴史]
ガーベラの歴史は比較的新しく、日本に渡来したのは大正初期。昭和33年4月に松川時春氏が八重咲
きのガーベラの育種に成功し、営利目的でガーベラ栽培が始まったのが昭和40年代。その後昭和50
年代に開発されたメリクロンと呼ばれる組織培養技術がガーベラの大量生産を可能とし、今ではキク・
カーネーション・バラに次ぐ出荷量を占めるまでに成長しました。以前は日持ちの面で難点のあるお花
でしたが、日進月歩で品種改良が進み、日持ちは格段に良くなり、ガーベラ本来の魅力である多彩な色
や咲き方もより豊富になりました。現在では年代問わず非常に高い人気を誇る花として定着しています。

[JA大井川ガーベラ部会のこだわり]
私達が生産したお花で、消費者に感動・喜びを届けたい。。そんな消費者満足の追求がJA大井川ガー
ベラ部会のこだわり。「ピシット宣言」と呼ばれる独自の品質管理基準により、品質基準の厳守、鮮度
保持の徹底、安定供給の実施、定期的な情報発信、環境配慮型の生産体系の確立を高いレベルで実現し
ています。特に、大手花市場の試験ルームにて毎月日持ち実験を繰り返し行い、品質の向上に貪欲に取
り組んでいます。この日持ち実験は、室温26℃、湿度60%という環境下で実施されており、JA大
井川ガーベラ部会さんのガーベラは10日以上日持ちすることが確認されています(試験に合格しない
とそのガーベラは販売できません)。将来、JA大井川ガーベラ部会さんのガーベラが【ブランド】に
なる日が来ることは、間違いありません。


↑ 試験ルームの様子。毎月試験を実施するのはJA大井川さんだけ。


↑ (左)病気の広がりを防ぐため、1株ごとに隔離して生産しています。
(右)細いチューブを通じて、各株に養液やお水が行き渡ります。


↑ (左)大きく成長した葉っぱ。太陽をいっぱいあびて栄養補給します。
(右)中心的存在、生産者田代さん。数々の賞を受賞されています!


  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 05:00Comments(0)FlowerStory