今週のFlowerStoryは、茨城県 JA土浦 萩島園芸さんのミニグラジオラスです。
[JA土浦 萩島園芸さんの紹介]
レンコンの生産で有名な霞ヶ浦湖畔を望む地域で、全国一のグラジオラスの生産量を誇るのがJA土浦
花き部会に所属する萩島園芸さん。JA土浦全体で年間約400万本ものグラジオラスを生産されてお
り、萩島園芸さんはその6割の生産を担っています。5月から11月まで、全国各地へグラジオラスを安
定供給できる、日本で唯一無二の生産者さんです。
[ミニグラジオラスへの思い]
グラジオラスは主にご葬儀やご法事、お仏壇などの仏花として利用されることが多いお花。萩島園芸の
萩島一郎さんは「グラジオラスをもっと手軽に楽しんで頂きたい」との想いから、5年前からミニグラ
ジオラスの生産に力を入れています。通常のグラジオラスは背丈が100cm以上あり、ご家庭にある
花瓶では飾り辛いお花。それに比べてミニグラジオラスは背丈が80cm程度で、コンパクトサイズに
改良された特殊なグラジオラスです。「通常のグラジオラスにはない色目の品種もあり、グラジオラス
の新たな魅力を引き出してくれるお花ですね」と語る萩島さん。たった8万本程度しか生産していない
貴重なお花がミニグラジオラスです。
[グラジオラス生産における苦労話]
グラジオラスは連作(同じ場所で2年連続で同じ作物を作ること)ができません。萩島さんの土地では
1年グラジオラスを生産すると同じ場所で2年間は田んぼとしてお米を作ります。グラジオラスを生産
する土地とお米を作る土地が毎年回転していくため、何百万本の生産量を毎年作り続けるには広大な土地
が必要となります。また定期的に土の状態を審査する土壌診断を繰り返し、グラジオラスを作り続ける
上で障害が起きないよう研究を繰り返しています。「就農して10年になりますが、まだまだわからな
いことだらけ。露地栽培だから天候にも非常に左右される。だけどそれが面白いですね。」と萩島さん。
毎日休まずグラジオラスと対話し続けています。
↑一面に広がるグラジオラス畑。これだけ量があると爽快です!
↑まだ葉っぱしか見えていない状態。葉の中に穂が隠れています。
↑穂が伸びてきた状態。穂の部分が割れておらず花は見えません。
↑出荷間際の状態。穂が割れて花が見えてきています。
↑生産者の萩島さん(右)。研修生の指導にも熱が入ります!