今週のFlowerStoryは、埼玉県JAふかやさんのLAユリです。
[JAふかや ユリ部会の紹介]
埼玉県の北部に位置するネギでも有名な深谷市は、古くから球根栽培が盛んな土地で、全国屈指の花の
大生産地です。深谷市は元々はチューリップ生産のパイオニア的な地域でしたが、今ではユリの生産量
が日本一を誇るユリの町。特にLAユリについては日本で最初にこの品種に取り組んだ先駆者的な産地
で、現在も色数・数量・品質伴に、他産地を寄せ付けない不動の地位を確保しています。
[LAユリの特徴]
LAユリとは、テッポウユリとスカシユリの交配種で、テッポウユリの大輪性とスカシユリの多彩な花
色を兼ね備えたユリのこと。スカシユリの特徴を受け継いでいるため、LAユリには香りがありません。
ユリの代表格である大輪のオリエンタルユリに比べて、①価格が安い②蕾も次々に咲き変化を楽しむこ
とができる③大きすぎず他の花と組み合わせてもバランスが良い、といった特徴があります。また黄色
やオレンジ色といった発色のよい色が多く、大輪ユリに次ぐ第2のユリとして定着しています。
[LAユリの生産過程]
ユリの球根はほぼオランダからの輸入品。概ね球根を植えてから出荷まで、60日前後。球根は冷蔵管
理され出荷したいタイミングから逆算してハウスに植え込みます。ユリの生産において最も難しいのは
水管理。水は与えすぎると茎が柔らかくなってしまい、水が切れてしまってもダメ。絶妙なタイミング
で水を与える技術・感覚は長年の経験で養われます。また夏場はハウス内の温度を少しでも下げるために
換気を行いますが、強風が吹くとユリは折れやすく、また揺れで花同士が擦れて茶色くなってしまうため、
注意深く管理する必要があります。出荷されるLAユリは「重さ」と「輪数」によって等級分けされ、
全国各地の市場へ旅立っていきます。重さで細かく選別しているのは全国でもJAふかやのみ。LAユ
リ生産をリードするプライドが最大のこだわりです。
↑ハウス全面に広がる出荷直前のLAユリ。圧巻です!
↑花芽が出た状態。ここから中心が伸びて段差が出来ていきます。
↑ユリの球根は上根が栄養を吸収します。下根は支える役目のみ。
↑球根を植えた直後はスプリンクラーで十二分に水を与えます。
↑ユリ部会の部門長八ッ田さん(左から2番目)に案内頂きました!