今週のFlowerStoryは、千曲市 JAちくまさんのトルコギキョウです。
[千曲市力石は日本一のトルコギキョウの町]
戸倉上山田温泉にほど近い旧上山田町力石。この地は昭和25年頃に日本で初めてトルコギキョウが栽
培された土地。旧上山田町は、全国でも降水量が少なくハウス等施設の無い時代においては、露地での
花き栽培に適した土地だったため、花き栽培が非常に盛んな地域でした。当初は単色のみだったトルコ
ギキョウも、当産地の育種家による品種改良の結果、白色地に縁取りが桃色や紫色の覆輪系品種が登場し
ます。これがその後のトルコギキョウブームの火付け役となったことは誰もが認めるところ。このよう
な経緯から、現在でも力石地区には全国的に有名なトルコギキョウの育種家が多く、日本一のトルコギ
キョウの生産地と評価されている所以です。
[世界を席巻する日本のトルコギキョウ]
世界に何百種とあるトルコギキョウ。その品種改良は世界的に見ても日本の独占市場。2012年に開
催された世界新品種品評会フロリアードでも、日本の育種家のトルコギキョウが数多くの賞を獲得しま
した。特に長野県は全国一の生産量を誇り、また力石にはトルコギキョウにおいては日本一の育種家と
名高い中曽根さんがいます。中曽根さんが平成15年に完成させた「コサージュ」シリーズは、細かい
フリルが見事な八重咲きの大輪品種で、その見事な姿形もさることながら、日持ちも抜群。またコサー
ジュ会と呼ばれる極一部の限られた生産者しか生産することができない最高級トルコギキョウなのです。
[トルコギキョウの栽培苦労話]
現在のトルコギキョウの栽培は、ハウス等施設栽培が主です(力石を車で走ると沢山のトルコギキョウ
のハウスに出会えます)。春夏のトルコギキョウは冬に植えて約6ヶ月の栽培期間を経て出荷されます。
時間をかけて育てますが、肥料や日照・気候条件等で同じ品種・同じハウス内にも関わらず、色や咲き
方にバラツキが出てしまうのが難しい所。またトルコギキョウは次々に芽が出来てくるため、芽かきは
毎日1本1本丁寧に繰り返し行なっています。生産者を悩ませ続ける花、それがトルコギキョウです。
↑コサージュグリーン。あまりの輪の大きさにビックリ仰天!?
↑スリプスという虫にやられ色落ちしてしまった花。繊細です。。
↑ハウス内が暖かくなってくるとすごい勢いで花芽が出来ます。
↑1本1本残したい花芽以外は丁寧に取り除いていきます。
↑JAちくまの春原さん(左)と部会長の小林さん(右)。
↑生産者と技術指導員。二人三脚で最高のお花を目指します!