りんどう界のパイオニア ~箕輪町 スカイブルー・セト~

ヌボー生花店 山崎年起

2013年07月30日 11:30

今週のFlowerStoryは、箕輪町スカイブルー・セトさんのりんどうです。





[スカイブルー・セトさんの紹介]
長野県上伊那郡箕輪町。標高700mを超える水田地帯で、世界で初めてりんどうの営利販売をお
こなったのがスカイブルー・セトの瀬戸堯穂さん。スカイブルー・セトさんは、りんどうの育種をメ
インに、生産者向けの苗生産を行い、生産者へのアドバイス・フォローを継続的に行っています。
国際新品種コンクール”フロリアード2002”では、瀬戸さんが開発したりんどうが金賞を受賞。
まさに世界に誇る日本の育種家の一人です。


↑(左)栽培風景。りんどうの栽培は、水稲作付直後の圃場で行います。
 (右)フロリアードで金賞を受賞した白りんどう「ホワイトベル」


[瀬戸さんの育種家人生]
瀬戸さんがりんどう栽培を始めたのは1967年。当時は山取りの株を増やし、夏から秋に出荷して
いました。「園芸品種がないなら、自分で作ってみよう」と品種改良・育種に着手。1982年には、
初めて育種した「晩信濃」を品種登録。本州から四国・九州の湿った野山に自生する笹りんどうを
交配親として、花開くりんどうも世に送り出しました。近年では花の大きな3倍体のりんどうの実
用化にも成功。りんどう界のパイオニアとして今も日々新しい挑戦をし続けています。


↑(左)花開くりんどう「初冠雪ラブ」 (右)3倍体品種には可愛いタグが♪


[りんどうがこれからも楽しめるように]
元々は日本の高山植物だったりんどう。暑さに弱く近年の温暖化による暑さによって、生育被害が多く
なっており、最大の需要期である御盆で、りんどうが品薄になるケースが続いています。瀬戸さんは
「年々育種を繰り返してきた結果、徐々に耐暑能力の高い品種が生まれてきている」と語ります。今後
も御盆を始め、毎年夏花の定番花としてりんどうを楽しめるかどうかは、瀬戸さんの育種力にかかって
いるといっても過言ではありません!これからもりんどうの更なる進化に、注目していきましょう。


↑(左)バイオテクノロジーを活用し、日々新品種を育種しています。
 (右)日本を代表する産地さんだけあって、視察が絶えません・・。

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