2013年05月27日

この芍薬を楽しまずして花好きは語れない ~飯山市 JA北信州みゆき~

今週のFlowerStoryは、飯山市 JA北信州みゆきさんの芍薬です。



[JA北信州みゆき芍薬研究会 紹介]
中野・飯山地域は、生産量全国一の芍薬の名産地。まんまるな可愛らしい蕾からは想像出来ないほど大
輪の花が咲き誇る。そんな魅力を持つ芍薬は、現在初夏を代表する花として大変人気の高いお花です。
飯山市を中心にJA北信州みゆき管内では、約70名の生産者が芍薬を生産されています。JA北信州
みゆき芍薬研究会のテーマは「必ず開花する豪華な芍薬を提供すること」。全生産者がその想いを胸に
最高級の芍薬を提供されています。

[芍薬の開花にこだわる理由]
「芍薬は購入しても半分も咲かない。開花しない芍薬はゴミも同然」。3年前JA北信州みゆきの芍薬
生産者は調査で訪れた花市場にて、花屋さんから衝撃的な言葉を耳にしました。「我々はなんのために
花を生産しているのか?消費者の元で芍薬が咲かなきゃ楽しめない。」市場から飯山への帰りの車中、
生産者皆の意見は「必ず咲く芍薬を提供する!」で一致します。当時から様々な理由で芍薬は蕾の固い
状態で出荷され、結果蕾が咲かないままダメになることが多々発生しています。JA北信州みゆきさん
はその常識を覆すため、どんな固さの蕾で採花すれば必ず咲き、かつ長持ちするかを研究に研究を重ね
ています。この採花する蕾の固さは、芍薬の品種によって異なるため、品種毎の固さ基準を作成し全生
産者で徹底しています。「芍薬ほど変化が面白い花はない。それは開花してこそ楽しめる。その魅力を
より多くの人に楽しんでほしい。」そんな想いがこめられた咲く芍薬こそが、本物の芍薬なのです。

[5年の歳月をかけて芍薬は出荷されます]
以前からJA北信州みゆきさんは芍薬の花の大きさにこだわりを持って生産されています。芍薬の株を
植えてから4年間は株を生育する期間に当てられ、一切出荷は行われません(通常は3~4年目から出
荷されます)。5年目の芍薬は1本1本の蕾が大きく、咲いた時の花も非常に豪華。1度見たら間違い
なくファンになります。JA北信州みゆきさんの芍薬には、人の心を惹きつける魔力が備わっています。


↑芍薬畑!全て咲き誇ったらどれほど綺麗なことか。見てみたい!


↑出荷する芍薬の株。1株に30本以上もの芍薬が花を付けます。


↑育成段階の2年目の株。初出荷されるのは3年後。ガンバレ!


↑株育成のため、毎年株の1/3は出荷せず花芽を切り落とします。


↑JA北信州みゆきの販売担当、藤巻さん。ビールが元気の源☆  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 12:53Comments(0)FlowerStory

2013年05月20日

小さなグラジオラスに込められた想い ~茨城県 JA土浦 萩島園芸~

今週のFlowerStoryは、茨城県 JA土浦 萩島園芸さんのミニグラジオラスです。



[JA土浦 萩島園芸さんの紹介]
レンコンの生産で有名な霞ヶ浦湖畔を望む地域で、全国一のグラジオラスの生産量を誇るのがJA土浦
花き部会に所属する萩島園芸さん。JA土浦全体で年間約400万本ものグラジオラスを生産されてお
り、萩島園芸さんはその6割の生産を担っています。5月から11月まで、全国各地へグラジオラスを安
定供給できる、日本で唯一無二の生産者さんです。

[ミニグラジオラスへの思い]
グラジオラスは主にご葬儀やご法事、お仏壇などの仏花として利用されることが多いお花。萩島園芸の
萩島一郎さんは「グラジオラスをもっと手軽に楽しんで頂きたい」との想いから、5年前からミニグラ
ジオラスの生産に力を入れています。通常のグラジオラスは背丈が100cm以上あり、ご家庭にある
花瓶では飾り辛いお花。それに比べてミニグラジオラスは背丈が80cm程度で、コンパクトサイズに
改良された特殊なグラジオラスです。「通常のグラジオラスにはない色目の品種もあり、グラジオラス
の新たな魅力を引き出してくれるお花ですね」と語る萩島さん。たった8万本程度しか生産していない
貴重なお花がミニグラジオラスです。

[グラジオラス生産における苦労話]
グラジオラスは連作(同じ場所で2年連続で同じ作物を作ること)ができません。萩島さんの土地では
1年グラジオラスを生産すると同じ場所で2年間は田んぼとしてお米を作ります。グラジオラスを生産
する土地とお米を作る土地が毎年回転していくため、何百万本の生産量を毎年作り続けるには広大な土地
が必要となります。また定期的に土の状態を審査する土壌診断を繰り返し、グラジオラスを作り続ける
上で障害が起きないよう研究を繰り返しています。「就農して10年になりますが、まだまだわからな
いことだらけ。露地栽培だから天候にも非常に左右される。だけどそれが面白いですね。」と萩島さん。
毎日休まずグラジオラスと対話し続けています。


↑一面に広がるグラジオラス畑。これだけ量があると爽快です!


↑まだ葉っぱしか見えていない状態。葉の中に穂が隠れています。


↑穂が伸びてきた状態。穂の部分が割れておらず花は見えません。


↑出荷間際の状態。穂が割れて花が見えてきています。


↑生産者の萩島さん(右)。研修生の指導にも熱が入ります!  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 17:17Comments(0)FlowerStory

2013年05月13日

カンパニュラ ~千葉県 折原園芸~

[お詫び]
今週のFlowerStoryですが、構成が間に合わず、通常通り
細かな内容をまとめあげることができませんでした。
そのため、今週は本当に簡単な内容でのご紹介となります。

楽しみにしていただいている皆様、本当に申し訳ございません。
来週以降はしっかりと準備いたします。何卒よろしくお願いいたします。


<カンパニュラ紹介>

主に5月~6月に出荷がピークを迎える初夏の代表的なお花、カンパニュラ。
和名フウリンソウとも呼ばれ、花形が可愛らしいのが特徴です。

カンパニュラは非常に珍しい習性があり、それは最初に一番上の花が1輪咲き、
次に下枝の花から順次上に向かって咲いていく、という点です。

また非常に良く水を吸うお花で、花瓶にはたっぷりの水を入れておくのがベターです。
(逆に少し水落ちしても、水に付けてあげれば、すぐに元通り元気になります)

非常に花持ちのよいお花で、蕾も必ず咲いてくるので、長くお楽しみ頂けます。


<折原園芸さん紹介>

千葉県の房総半島の先端に位置する南房総市。
この地域で、5100坪(102棟)にも及ぶ施設ハウスにて、
年間通じて色々な切り花の生産されているのが折原園芸さん。

代表の折原利明さんは、花業界で知らぬ人はいない、
全国的に注目されている若手生産者の1人。
様々な花業界のイベントにて精力的に活躍されています。

色々な切り花を生産されているにもかかわらず、
どの品目も常にブレのない品質には定評があります。

*折原園芸さんの詳細は、折原園芸さんのHPを是非ご確認下さい。
http://www.oriharaengei.jp/index.html
  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 22:09Comments(0)FlowerStory

2013年04月23日

"ブランド"ガーベラが誕生する日 ~静岡県 JA大井川 ガーベラ部会~

今週のFlowerStoryは、静岡県JA大井川ガーベラ部会さんのガーベラです。



[JA大井川ガーベラ部会の紹介]
静岡県はガーベラ生産量が日本一。そんなガーベラ大国の中でも、鮮度にこだわったガーベラを生産し
ているのが、JA大井川ガーベラ部会。日本で唯一、全量のガーベラをELFと呼ばれる水入りバケツで
流通させることで、ガーベラ特有の首曲がりや弁のソリを軽減させています。

[ガーベラの歴史]
ガーベラの歴史は比較的新しく、日本に渡来したのは大正初期。昭和33年4月に松川時春氏が八重咲
きのガーベラの育種に成功し、営利目的でガーベラ栽培が始まったのが昭和40年代。その後昭和50
年代に開発されたメリクロンと呼ばれる組織培養技術がガーベラの大量生産を可能とし、今ではキク・
カーネーション・バラに次ぐ出荷量を占めるまでに成長しました。以前は花持ちの面で難点のあるお花
でしたが、日進月歩で品種改良が進み、花持ちは格段に良くなり、ガーベラ本来の魅力である多彩な色
や咲き方もより豊富になりました。現在では年代問わず非常に高い人気を誇る花として定着しています。

[JA大井川ガーベラ部会のこだわり]
私達が生産したお花で、消費者に感動・喜びを届けたい。。そんな消費者満足の追求がJA大井川ガー
ベラ部会のこだわり。「ピシット宣言」と呼ばれる独自の品質管理基準により、品質基準の厳守、鮮度
保持の徹底、安定供給の実施、定期的な情報発信、環境配慮型の生産体系の確立を高いレベルで実現し
ています。特に、大手花市場の試験ルームにて毎月花持ち実験を繰り返し行い、品質の向上に貪欲に取
り組んでいます。この花持ち実験は、室温26℃、湿度60%という環境下で実施されており、JA大
井川ガーベラ部会さんのガーベラは10日以上花持ちすることが確認されています(試験に合格しない
とそのガーベラは販売できません)。将来、JA大井川ガーベラ部会さんのガーベラが【ブランド】に
なる日が来ることは間違いありません。


↑試験ルームの様子。繰り返し試験を実施するのはJA大井川さんだけ。


↑病気の広がりを防ぐため、1株ごとに隔離して生産しています。


↑細いチューブを通じて、各株に 養液やお水が行き渡ります。


↑大きく成長した葉っぱ。太陽をいっぱいあびて栄養補給します。


↑中心的存在、生産者田代さん。数々の賞を受賞されています!!
  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 14:57Comments(0)FlowerStory

2013年04月16日

新鮮なイキイキしたバラに出会える日 ~静岡県 JA大井川 バラ部会~

今週のFlowerStoryは、静岡県JA大井川バラ部会さんのバラです。



[JA大井川バラ部会の紹介]
静岡県の中央部を南北に流れる大井川。その沿岸で鮮度に徹底的にこだわったバラを作り続ける生産者
グループ、JA大井川バラ部会。所属してる生産者の数は30名。30名もの大人数の生産グループに
なると、生産者間での品質のバラツキが発生しやすくなりますが、JA大井川さんは徹底した鮮度管理
を実施することで、グループ全体として高い評価を得ています。長持ちするバラといったらJA大井川。
今日もどこかでそんな声が飛び合う、優良産地です。

[こだわり①:徹底した花持ち実験]
JA大井川のバラ部会では、栽培されている全生産者の全品目について花持ち試験を実施しています。
外部の試験室にて室温26℃、湿度60%という環境下にバラを飾り、5日後なにかしらの鮮度不良が
発生しないか、実験します。この試験で合格しない限り、バラは出荷できません。しかもこの実験は毎
月実施。先月はOKだったバラでも、次月の結果がNGであれば出荷停止となります。厳しいハードル
を生産者が自ら課すことで、徹底したお客様第一主義を、生産者みなで共有しています。

[こだわり②:徹底した輸送技術による鮮度維持]
バラはデリケートな切花。生産地では鮮度が抜群のバラも、花屋さんへ輸送中に鮮度が急激に劣化して
しまうことも多々あります。それを未然に防ぐため、JA大井川さんがこだわっているポイントは2つ。
1つが湿式バケツでの輸送。従来お花は輸送中、水に付けず花を横にしてダンボールに詰めて産地から
出荷されていました。しかしJA大井川さんのバラは全て水の入ったバケツにバラが縦て入った状態で
輸送され、お花の断水時間が一切なく、イキイキした状態が維持できます。2つ目は輸送中の温度管理
の徹底。バラは温度差に非常に敏感で、暑い場所と寒い場所を行ったり来たりすると、急激に弱ってし
まいます。そこでお花の保管場所から輸送中のトラックの中まで一貫して一定の温度になるよう温度管
理を徹底します。「お客様に喜んで頂くために何ができるのか?」それを考え・実行し続けれられる産
地だからこそ、長持ちするバラが提供できるのです。


↑鮮度にこだわったJA大井川のバラの中でも、更に厳選されたバラに付けられるブランド「メダリオン」。


↑花持ち実験に合格したバラに付けられるタグマーク。


↑輸送中のバケツの中の水には鮮度保持剤が入っています。


↑JA大井川のお花を運ぶ車。温度管理に抜かりはありません。
  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 08:02Comments(0)FlowerStory

2013年04月09日

カラーの常識を覆した男の物語 ~千葉県 BloomNet~

今週のFlowerStoryは、千葉県BloomNetさんのカラーです。



[BloomNetさん紹介]
千葉県君津市。この地域は全国有数のカラーの生産地。君津地域の中でもトップクラスの栽培技術を誇
るカラーの生産団体、それがBloomNetさん。BloomNetの中心的存在である杉谷さんは、
常に「お客様本位」をモットーにカラーを出荷し続けています。

[”蕾で買った方がお花が長く楽しめる”との戦い]
切花を購入されるお客様が最も勘違いされている事、それは「蕾で買った方がお花を長く楽しめる」とい
う思い込み。カラーもBloomNetを立ち上げた十数年前は、蕾の固い状態で出荷しないと売れな
い、との間違った販売戦略から、お客様の元に届いてもカラーは綺麗に咲くことができず、長持ちしな
いお花でした。本来はある程度産地にて綺麗に咲かせた状態で出荷し、お客様の元に早く届けばお花が
綺麗に咲き切り、逆に長くお花を楽しむことができます。杉谷さんは「お花にとって当たり前のことを
当たり前にやりたい。咲かなければお花として魅力がなく、お客様にとっても価値がない」との信念か
ら、咲かせた状態でのカラーの出荷に挑戦し、その姿勢が徐々に浸透し、BloomNetのカラーは
今では非常に高い評価を得るまでになりました。

[湿地性カラーの悲しい物語]
カラーには主に湿地性のカラーと畑地性のカラーがあり、両者は全く違う花のように特性が異なります。
一般的に畑地性のカラーは比較的高級品で、湿地性のカラーの方がリーズナブル。その湿地性のカラー
の代表品種だったのがチルドシアナ。しかし十数年前、全国各地で疫病が発生し、国内のチルドシアナ
はほぼ全滅。その後、原因となった疫病に強い品種ウエディングマーチが登場し、湿地性カラーが再度
多く流通するようになったものの、ウエディングマーチは茎が非常に太く、一般のお客様にとっては自
宅に飾り難い、という難点があります。杉谷さんは「より多くの人にカラーを楽しんでもらいたい」と
の思いから、チルドシアナとウエディングマーチの良さを掛けあわせた品種「しろたえ」を開発。杉谷
さんはまだまだ貴重品種である「しろたえ」を中心に、自宅に気軽に飾ってもらえるカラーの普及を目
指し、日々努力されています。


湿地性のカラーは水たまりのようなハウスで生産されています。


場所によって水の深さ40cm以上も!危険なので見学は外から。


咲いたカラーの出荷は、とにかく1本1本丁寧に作業します。


独特な組み方・保管の仕方で、花を傷つけないよう工夫します。


出荷箱も特殊な形。咲いたカラーを出荷するためには様々な工夫が必要。


生産者:杉谷さん。カラーの常識を覆した方です!


*Youtubeより① BloomNetさん紹介VTR


*Youtubeより② 杉谷さんのカラーへの思い

  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 07:16Comments(0)FlowerStory

2013年04月02日

長野県代表アルストロメリア ~駒ヶ根市 JA上伊那~

今週のFlowerStoryはJA上伊那のアルストロメリアです。



[JA上伊那のアルストロメリア]
長野県は全国6番目の花き生産量を誇るお花の大生産地。数あるお花の中でも長野県で全国シェア
圧倒的No.1を誇るのがアルストロメリア。日本のアルストロメリア生産は、昭和50年代初頭にオ
ランダ視察を契機に苗を導入したのが始まりで、導入初期から全国のアルストロメリアの生産を常
にリードしてきた産地がJA上伊那です。JA上伊那のアルストロメリアの年間生産量は約130
0万本で日本一!冷涼で晴れの日が多い気候を生かして品質の良いお花を生産し、JA上伊那のア
ルストロメリアは花き市場で高いブランド力があり、高い評価を受けています。

[アルストロメリアを普及させたJA上伊那]
アルストロメリアは本来、冬の低温を受けた地下茎から次々と芽を出し、春から夏にかけて連続し
て開花する植物。にもかかわらず現在では秋から春まで断続的に出荷されるお花として定着してい
るのは「地中冷却」技術が定着してきたから。地中冷却は夏期に苗の植えてある土の温度を15℃
以下に保つことで、秋や冬にアルストロメリアを開花させることができる技術。地中冷却の他にも
アルストロメリアは栽培期間が長く、潅水・施肥量(水や肥料をあげる量)も多いため、栽培に非
常に手間がかかる植物ですが、その潅水・施肥作業を自動で行う養液土耕栽培法も普及してきまし
た。更に流通過程での湿式輸送(水分につけた状態でお花を輸送する技術)が定着化し、アルスト
ロメリアの最大の特徴である日持ちも向上しました。これら技術の開発・導入を積極的に実施して
きたのがJA上伊那。JA上伊那のアルストロメリアへの情熱が、日本にアルストロメリアを普及
させたといっても過言ではありません。


↑JA上伊那は新品種の導入にも積極的で、約150品種ほどの
アルストロメリアを出荷されています!(毎年増え続けています!)


↑アルストロメリアの栽培風景。人丈以上に伸びたアルストロメリアを採花します。


↑JA上伊那花き部会のドン、吉澤さん!
  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 11:32Comments(0)FlowerStory

2013年03月25日

あなたの人生 飾りたくて ~佐賀県 平田農園~

今週のFlowerStoryは佐賀県平田花園さんのスプレーカーネーションです。



[平田花園さんの紹介]
佐賀県唐津市。この地でカーネーションの専業農家としてカーネーション生産に情熱を傾けているのが
平田花園さん。生産されているカーネーションの大半は、1本から数輪枝分かれしたスプレータイプ。
その理由を平田さんに尋ねると「1輪タイプのカーネーションは葬儀や結婚式など、業務用で使用され
ることが多く、そのニーズに対応したお花を生産する必要があります。私は消費者の皆様に1本1本の
お花を大切に、少しでも長く楽しんでもらいたい。だからこそスプレータイプにこだわっています。」

[平田さんのこだわりのカーネーション]
カーネーションは1年毎に株を入れ替えて生産しています。通常1株から沢山本数が採花できれば、よ
り収入が増えます。しかし平田さんはあえて1株から採花する本数を制限し、1本1本に十分な栄養が
行き届くよう生産されています。更にカーネーションの場合、元々長持ちするお花のため、採花した後
すぐに出荷せずに、冷蔵庫で保管し出荷調整をする場合が多々あります。平田さんは冷蔵庫を持たず、
採花したお花は即出荷を徹底しています。これはお客様の元にお花が届くまでの時間を極力短くするこ
とで、より長持ちするお花を提供することが目的ですが、生産している温かいハウスの中と冷蔵庫の中
の温暖差によって、お花にストレスがかかり蕾の花が咲かずに終わってしまう、といったことを防止す
るためでもあります。平田さんのカーネーションの特徴を表現すると『輪が大きく、蕾まで必ず咲き、
長く楽しめるカーネーション』と言えるでしょう。

[新品種や珍しい品種への挑戦]
平田さんは珍しい品種や生産が難しい品種の生産に積極的に取り組んでいます。「お客様が驚くような
そして感動いただけるような、そんなお花を生産していきたい。」お花は多彩で本当に面白いですね♪

<ローズクラウン>

<クレージーピンクテッシノ>

<スターダブルフェスティバルテッシノ>

<染めSPカーネーション>

↑平田さんはオリジナル品種の育種・生産にも取り組んでいます。 
え?これがスプレーカーネーション? なんて品種も沢山あります。


↑平田さんから出荷される1箱1箱に “~あなたの人生 飾りたくて~”の文字。


↑平田さんのイラストです。花男子は素敵ですね☆
  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 08:00Comments(0)FlowerStory

2013年03月20日

世界にひとつだけの花 ~松本市 フラワースピリット~

今週のFlowerStoryは松本市フラワースピリットさんのラナンキュラスです。



[フラワースピリットさんの紹介]
松本市を中心に、有能な切り花生産者10数名からなる生産団体フラワースピリットさん。代表の上條
さんは花業界ではカリスマ的な存在で、度々メディアでも紹介されています。上條さんが生産されたラ
ナンキュラスは、2012年オランダで開催された10年に1度開催される国際園芸博覧会のコンテス
トにおいて、春の球根部門世界1位を獲得しました。上條さんのラナンキュラスは、アメリカ・アジアな
ど海外へも数多く出荷されるほど、まさに世界でも有数の生産者さんです。

[上條さんのラナンキュラス]
「バラに勝る花を作りたい」その上條さんの情熱から生まれたラナンキュラスの特徴は、輪の大きさ。
ローヌシリーズと呼ばれるラナンキュラスは直径が11㌢以上。スーパーローヌに至ってはナント直径
13㌢以上!また、ラナンキュラスは蕾ではなく咲いた状態で出荷するお花の1つ。茎やお花に十分な
栄養が届いていない蕾の状態で出荷してしまうと、花は綺麗に咲くことができず長持ちしません。上條
さんの大輪ラナンキュラスは長い時間をかけて丹念に育てられ、栄養十分だからこそ日持ちも抜群!!
冬なら1ヶ月程度楽しむことができます。

[信州の自然の恵みがあってこそ]
「ラナンキュラスの生産には信州松本の気候があっている。信州の自然の恵みのおかげ。日本はもちろ
ん海外でも、他では絶対にこの大輪のラナンキュラスは作れない。だから【世界にひとつだけの花】な
んです。だからこそ海外からも注文が来ます。」と語る上條さん。そんな上條さんにラナンキュラスの
魅力を尋ねると「時期限定の花。だから良いよね。要望は沢山あるけど、無理して出荷できる時期を伸
ばす気持ちは全くない。バラみたいに年中楽しめる花にはしたくない。旬の花を、旬な時期に、最高の
状態で出荷して、それを楽しんで頂きたい。それが本来のお花の楽しみ方では?」納得の一言です。


↑ラナンキュラスは色・咲き方も非常に豊富。上條さんは試験的品種あわせて、
100種類以上!?の品種を生産されています。


↑「わっこ」でお花の大きさを測り出荷します。輪の大きさは13㌢。


↑ハサミの管理も重要。病気が萬栄しないよう何丁も使い分けます。


↑贅沢に沢山飾ってみたい。心からそう思えるお花ですね。


↑上條さん。1度語りだしたら止まらない。オーラ抜群です。


*上條さんのラナンキュラス採花風景です。


*上條さんにラナンキュラスへの想いを語って頂きました。
■注意■約10分間の動画です。お時間のあるときにどうぞ・・・。

  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 18:00Comments(0)FlowerStory

2013年03月11日

本当のお花の価値に出会える花 ~埼玉県 高成園~

今週のFlowerStoryは埼玉県高成園さんのフリージアです。



[高成園さんの紹介]
埼玉県杉戸町。この地で40年前からフリージア生産を手がけてきたのが高成園の高舘さん。主役より
も脇役として活躍するフリージアに魅了され、誰よりも熱い想いでフリージアを生産されています。

[葉付きフリージアは日本だけ?]
日本のフリージアは葉付きで生産され販売されています。でもこれ、日本だけって知っていましたか?
日本では生け花や仏花で使用されるため、葉付きが当たり前。しかし葉をつけるためには、フリージア
が本来持っている力を押さえ込んで育てる必要があり、本来の花の美しさや迫力を抑えてしまうことに
もつながります。逆にヨーロッパでは葉無しで栽培する【枝切り】と呼ばれる栽培方法で生産されます。
この方法は1本あたりの栽培面積も広く必要とし、余計に手間がかかり、出荷時期も1ヶ月程度しか出
荷できず、非常に難しい栽培方法です。高成園さんは10年前からこの栽培方法で生産を開始し、現在
日本で唯一【枝切りフリージア】を出荷しています。

[枝切りフリージアの魅力]
フリージアの花色は黄色や白だけ。そう思っている方も多いのでは?枝切りフリージアは、本来お花が
もっているポテンシャルを最大限発揮でるため、花色が非常に豊富です。また葉付きでは実現できない
くっきりとした八重の花が咲き誇ります。それでいてフリージアの最大の魅力である香りも非常に豊か。
蕾も次々に咲いてくるので日持ちも抜群。「本当に価値のあるお花を追求してみたかった。」そう高舘
が語るほど魅力あふれる花、それがフリージアです。

[高舘さんの夢]
始めた頃は苦戦の連続で「もう辞めようと何度も思った」とのこと。それでも花屋さんで「フリージア
を下さい!」と言って頂けるお客様を一人でも多く増やすこと、それを目標に更なるフリージアの魅力
を追い求め、日々生産に打ち込んでいます。


↑濃いオレンジの八重咲フリージア 『オレンジーナ』


↑複色の淡い紫の八重咲フリージア 『ストライプドパール』


↑手の大きさと比べれば、輪の大きさは一目瞭然!!


↑左が通常の葉付き、右が枝切り。ボリュームが全く違います!


↑出荷直前。蕾がふっくらするまで栄養を十分与えることが大切です。


↑4代目高舘雅実さん。その情熱はとどまるところを知りません。


*高成園さんからのメッセージです。



*以下、外部サイトより、高成園さんの紹介動画①②です。結構専門用語もあるのでご注意下さい。。。

  


Posted by ヌボー生花店 山崎年起 at 10:07Comments(0)FlowerStory